一般皮膚科
湿疹、かぶれ、じんましん、にきび、アトピー性皮膚炎、やけど、いぼなどの
皮膚疾患全般を診療いたします。
とくに乾癬・アトピー性皮膚炎などに行う紫外線療法に力を入れております。
できものを切除する皮膚良性腫瘍手術もおまかせください。
お一人お一人に合わせた治療法をご提案します。
症状一覧
アトピー性皮膚炎
かゆみや皮膚の炎症が良くなったり悪くなったりをくり返す慢性炎症性皮膚疾患です。
「atopy(アトピー)」はラテン語由来で、アレルギー症状はあるが、原因アレルゲンはわからない不可思議な病と当時から考えられていました。それが皮膚炎として生じるものがアトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎にはアレルギーが関係していますが、特定のアレルギー物質(アレルゲン)が原因というわけではありません。正しくは原因不明であり、特定のアレルゲンを取り除けば治るわけではありません。そのため原因となるアレルギー物質を一生懸命調べてもあまり意味はありません。
ここがよく患者さまが誤解されておられるところであり、ほかの医療機関のホームページなどでも「アトピー性皮膚炎はアレルギーが原因」としていることがほとんどです。この認識の違いが、患者さまと医師との隔たりにつながると考えています。
そのため当院では、この認識のズレを埋めるための患者さまへのご説明から始めています。アトピー性皮膚炎は、体質として付き合っていかなくてはならない慢性疾患ですので、症状が改善している期間をできるだけ長くキープすることが重要です。
治療においてはメリハリを持たせ、しっかりと早く良好な状態に戻すことに重点を置いています。また、症状が悪化した場合でも同じ薬を継続することはありません。薬を変更・追加したり光線療法を取り入れて早期での症状改善をめざします。
当院は、アトピー性皮膚炎に対して全身を一度に治療できる先進の全身型光線治療器「ナローバンドUVB」を導入していますので、治りにくいとお困りのアトピー性皮膚炎の患者さまが多く通われています。
治療方法
- 塗り薬・・・ステロイド外用剤、プロトピック外用剤、コレクチム外用剤、保湿剤など
- 飲み薬・・・抗ヒスタミン薬(かゆみ軽減)など
- 専門治療・・・光線療法(ナローバンドUVB照射) 当院は年間3000回以上の実績があります。
光線療法(保険診療)対応疾患
乾癬・掌蹠膿疱症
乾癬の由来は文字通り乾いた皮膚病という意味です。
赤く盛り上がった部分にカサカサした白い粉が付いた皮膚病変が広がり、かゆみがないことが特徴です。高血圧、心臓病、糖尿病、高脂血症などの内蔵の病気を併発しやすい皮膚病という特徴もあります。
詳細な原因は不明で、近年患者数が増加しているといわれています。
治療としては外用療法から始めますが、外用療法が効果的ではないときに光線療法を行います。光線療法が非常に有効な皮膚疾患のひとつです。ほかに新しい内服薬やのどもありますので、乾癬でお悩みの方はご相談ください。
掌蹠膿疱症
掌蹠とは手のひらと足の裏という意味です。膿疱症とは黄色い小さな水膨れを意味します。
手のひら足の裏に膿疱が多発してかゆくなり、時に胸骨や鎖骨の強い痛みを併発することもあります。
扁桃炎や金属アレルギー、たばこが原因になっていることもありますが、半数以上のケースで原因は不明です。
治療としては外用療法から始めますが、外用療法が効果的ではないときに光線療法を行います。
光線療法(保険診療)対応疾患
かゆみ (皮膚そうよう症や痒疹)
かゆみの原因は種々ありますが、皮膚に赤い炎症がなく強いかゆみを繰り返す場合があります。
その代表例が皮膚そうよう症です。60歳以上の方に多い傾向があります。
一方で、皮膚に赤い炎症を伴ってかゆみが強く起こる病気の代表例が痒疹(ようしん)といわれる病気です。
痒疹は強いかゆみを伴い、 ボツボツとした皮膚の盛り上がりがいくつもできる皮膚疾患です。 一時的に発症してすぐに消えるものから、 身体中に広がり硬いいぼのようになってしまうものまで、 症状はさまざまです。
はっきりとは解明されていませんが、 虫さされが引き金となったり、アトピー性皮膚炎と関係して発症したりするといわれています。広がる前に早めに治療を開始することが重要です。
治療方法
- 塗り薬・・・症状に合わせた塗り薬を選びます。
- 飲み薬・・・抗ヒスタミン薬(かゆみ軽減)など、原因に合わせた内服薬を選びます。
- 専門治療・・・光線療法(ナローバンドUVB照射)アトピー性皮膚炎の症状として生じている痒疹に対しては光線療法が非常に有効です。
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)
皮膚の色が部分的に白く抜けてしまう病気です。 人に感染することはありません。
原因は自己免疫病と考えられています。免疫とは菌やウイルスなどの外敵を攻撃するシステムです。免疫システムには、敵か味方かを見分けて、兵隊の細胞に攻撃の指示を出す司令塔役の細胞があります。その司令塔が不調を起こし、自身の免疫が自身の細胞を攻撃する病気を自己免疫病といいます。尋常性白斑の場合は、免疫細胞がメラノサイトという色素の細胞を攻撃してしまうことで生じます。
身体のどこにでも発症する可能性があり、 人によって部位や範囲はさまざまです。
米粒くらいの大きさの色ぬけで、加齢に伴うものは経過観察でよいですが、数や大きさが増えてくる場合はご相談ください。
治療方法
- 専門治療・・・光線療法(ナローバンドUVB照射) 当院は年間3000回以上の実績があります。
- 塗り薬・・・ステロイド外用薬
いぼ(ウイルス性/加齢)
いぼとは、皮膚の一部が小さく盛り上がった状態をさす症状であり、病名ではありません。原因により種々の病名があります。例えば、パピロマウイルス感染による尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)や、 軟属腫ウイルスによる水いぼなどはお子さまがよくかかる病気です。
一方、加齢や体質によるいぼもあります。大人の首の周りに米粒以下の茶色いいぼができることがよくあります。
いぼもいろいろありますが、そのなかでも放置して問題ないものと、そうでないものがあります。
子どもの足のいぼはウイルスによるいぼがほとんどですが、ウイルスのいぼはほかの部分にうつったりどんどん大きくなることがあるので放置せず早めに受診し治療を開始しましょう。治療は液体窒素による冷凍凝固療法を行います。
水いぼは、かいてしまうとどんどん広がり50個以上に増える場合がありますので、見つけたらすぐ受診して摘除治療をしていきましょう。放置してはいけません。
70歳以上の方のいぼは、まれに悪性腫瘍のことがありますので、浸出液が出ていたり出血したりしているいぼの場合は放置してはいけません。
やけど
家庭内にあるものでは、お湯、調理油、ストーブ、炊飯器の蒸気、ヘアアイロン、湯たんぽなどでやけどをされる方が多いです。
熱による皮膚傷害ですが、高温の物質はもちろん、50~60°C程度の物質が長時間皮膚に接することでも、やけどになることがあり、低温やけどといいます。
低温やけどは、一言でいえばたちが悪いやけどです。重症化し、治療に時間がかかることがよくあります。
料理において、弱火でじっくりと中まで火を通すということがありますが、低温やけどはまさにそのようなやけどです。長時間の熱侵襲で皮膚の奥の方まで傷害が及び、受傷直後はさほど症状が強くなくても、1ヶ月くらいかけて皮膚がへこんで(皮膚潰瘍)いきます。全治に3ヶ月ほど要する場合がありますので、低温やけどには注意しましょう。
治療方法
やけどは初期のうちは炎症をとる処置を行います。
その後は創部の状態に応じた治療が必要となります。
ほくろ※保険診療
ほくろは、誰にでもあるもので、通常は病気とは言えず、治療する必要はありません。
ただし、まれにメラノーマというほくろのがんのことがありその見極めが重要となってきます。
メラノーマか、通常のほくろかで気になる場合の受診の目安は、大きさ6㎜以上、形が左右対称でなくいびつ、染み出すような薄い色の広がりがある、一部色が抜けてきた、などがあります。
それ以外にも、日本人は足底のほくろは他の部位よりもリスクが高いという統計があります。
気になる方は、一度ご受診ください。
※顔のほくろなど、 美容目的のほくろ除去は自費治療となります。
にきび※保険診療
「思春期にきび」と「おとなにきび」に分かれます。
にきびの原因菌であるアクネ菌のエサ・栄養源となる皮脂が多い環境で生じます。
思春期にきびは、成長期に大量に分泌されるホルモンが要因です。ホルモンが皮脂腺を刺激し、皮脂がたくさん出てくるため生じます。思春期の方でも個人差があるのは、ホルモンの量や皮脂腺の数の違いで症状が変わります。
思春期にきびの治療で最も大切な点は、症状が強いにも関わらず、たかがにきびと放置しないことです。放置して炎症が強くなるとクレーターのようなへこみができてしまうことがあります。クレーターは治しにくく保険診療では治療ができませんので、作らないように早めのにきび治療を行いましょう。
一方、おとなにきびは、擦れる刺激、ストレス、乾燥などにより皮脂が過剰になり生じてきます。お化粧による毛穴のつまりも関係することがあります。思春期にきびほどひどくはなりませんが、繰り返し出てくる方はよりよい治療法がありますのでご相談ください。
治療方法
症状に合わせて、塗り薬や飲み薬、にきび治療用の洗顔料や化粧水などをご提案して治療していきます。
湿疹(皮膚炎)
湿疹とは皮膚に炎症があり、かゆい皮膚疾患です。皮膚炎と同じ意味です。
湿疹という病名の由来は、湿った皮膚病という意味で、症状が強くなるとジュクジュクして浸出液が出ることがあるからです。
かゆみ、赤み、ブツブツ、小さな水ぶくれ、浸出液、皮めくれ、かさぶたという経過をたどって悪くなり、次第に治ってきます。
湿疹(皮膚炎)には原因などにより詳しい病名があります。
接触皮膚炎・・・アレルゲンや刺激に接触することにより生じた湿疹皮膚炎
脂漏性湿疹・・・皮脂が多い部分に生じ、皮脂に対する皮膚反応で生じる湿疹皮膚炎
皮脂欠乏性湿疹・・・乾燥により皮脂が減少して生じる湿疹皮膚炎
うっ帯性皮膚炎・・・下肢などの血の巡りが停滞して生じる湿疹皮膚炎
などほかにもいろいろありますが、可能なかぎり当てはまる病型や原因を診断していきます。
治療方法
- 原因、 悪化因子の除去、 回避
- 塗り薬・・・ステロイドの塗り薬
- 飲み薬・・・抗ヒスタミン薬(かゆみ軽減)など
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹は突然かゆみを伴う赤いふくらみが現れて、しばらくすると消えてしまう皮膚疾患です。24時間以内に跡形もなく消えてしまうものは蕁麻疹と考えられます。
蕁麻疹にはたくさんの種類がありますが、ほとんどが特発性蕁麻疹というタイプです。
特発性蕁麻疹は、免疫システムが乱れた時に生じるもので、軽いタイプはほとんどの方が何度か経験するようなものです。原因が不明なことも多いですが、疲労、ストレス、感染症などさまざまな要因で生じます。
ほかにも、薬剤性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、コリン性蕁麻疹、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、遅延性圧蕁麻疹、水蕁麻疹などいろいろなタイプがありますが、ご自身がどのタイプなのか知りたい方や、取り除ける原因など詳しい蕁麻疹の診断などはご遠慮なくご相談ください。
治療方法
- 原因、悪化因子の除去、 回避
- 塗り薬・・・ステロイドの塗り薬
- 飲み薬・・・抗ヒスタミン薬(かゆみ軽減)など
水虫
カビの一種である白癬菌による皮膚感染症です。足の裏や足の指の間にできやすく、皮がむけたり、水疱ができたりします。初期にかゆみはなく、症状が強くなればかゆくなってきます。水虫は直接皮膚が接するだけでなく、スリッパやバスマットの共有でもうつります。家庭以外にも銭湯、プールなどの多くの人が裸足で歩く場所も感染に注意が必要です。
足になにか病変ができると、多くの方が水虫を心配して来院されます。足の皮膚病=水虫と思っておられる方も多くいらっしゃいます。もちろん水虫もお調べしますが、足の病変は例えば、角質増殖症、異汗性湿疹、胼胝性湿疹、掌蹠膿疱症、、、などとたくさんの皮膚疾患がありますので、水虫だけをみるのではなく、ほかの皮膚病でないか、ほかの皮膚病が併発していないかをきちんと診断することが、治療ゴールへの近道です。
検査
- 顕微鏡検査(カビの菌はウイルスなどより大きいため顕微鏡ですぐに観察できます)
治療方法
- 塗り薬・・・抗真菌薬
- 飲み薬・・・爪に病変が至ってしまった場合は抗真菌剤の飲み薬が必要になる場合があります。
おでき
おできとは、盛り上がった痛い腫れものができたときによく言われます。
このような症状は、せつ(いわゆるにきびの親玉)や表皮のう腫(粉瘤、アテローム)という病名のことがほとんどです。
せつは、アクネ菌などの細菌が毛穴に感染して発症します。治療により1週間以内に治り、同じ場所に繰り返すことはあまりありません。
一方、表皮のう腫(粉瘤、アテローム)はあまり改善しなかったり、繰り返したりする良性皮膚腫瘍です。皮膚の内側にふくろを作って、ふくろの中に皮膚の角質が貯まって炎症を起こします。
根本的には根治手術という手術で治しますが、患者さまの年齢やイベントの前、その時の状況によって経過観察したり、飲み薬や注射で症状を抑えたり、切開術という応急的な処置的手術をしたりと、患者さまの背景に合わせて治療をご提案いたします。
治療方法
- 飲み薬・・・抗生剤内服薬
- 切開処置(切開手術)・・・腫れあがったふくろをやぶって中身を出すことで、痛みなどの症状を一気によくします。しかし、ふくろを切開するのみでは、しばらくたって再発することがあるため、応急処置的な手術となります。
- 根治手術(根本的に治す手術)・・・完全に治したい場合はふくろごと病変部分を取り除く手術を行います。 ※部位や大きさによっては専門施設に紹介いたします。
帯状疱疹
幼少の頃にかかる水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因です。一度水ぼうそうが治っても、このウイルスは一生身体の中に潜伏してヒトの神経の奥に住みつくウイルスです。(潜伏感染)
5~80年経って、疲労、体調不良、ストレスなど一時的な免疫力の低下が引き金になり発症します。
神経の奥からウイルスが暴れだして皮膚にまでやってきて、まず痛みが生じます。その後赤み、水ぶくれ(疱疹)が神経のエリアにそって帯状にでてきます。神経のエリアは左右で分かれているため、左右片側にしか出てこないことも特徴です。
痛みには個人差があり、高齢になるほど痛みが長期化しやすいため、 50歳以上の方は予防ワクチンの接種が推奨されています。
→ワクチンの説明はこちら
治療方法
- 飲み薬・・・抗ウイルス内服薬、鎮痛薬、神経痛治療薬
- 塗り薬・・・抗ウイルス薬、抗炎症薬
口唇ヘルペス
口の周りの痛みが生じ、その後小さな赤みや水ぶくれが口の周りにできてきます。
単純ヘルペスウイルスが原因で、 直接肌が触れること以外にも、ウイルスがついた口移しの食べ物、食器やタオルの共有でも感染します。
人にうつしてしまうかどうかがご心配かと思いますが、大人同士は基本的に問題ありません。初めて感染する5歳未満のお子さまはヘルペスの口内炎ができることがありますので、大人が口唇ヘルペスが出てきたあとに、身近なお子さまに口内炎が出た場合は一度ご相談ください。
口唇ヘルペスは一度感染すると、ウイルスが体内に潜んでストレスや疲れなどで免疫力が下がったときにくり返し発症することがあります。
治療方法
- 塗り薬・・・抗ウイルス外用薬、抗炎症外用薬
- 飲み薬・・・抗ウイルス内服薬
たこ・うおのめ
圧迫や摩擦によって角質が部分的に厚く硬くなった状態です。
例えば、鉄棒やバットの素振りなどやりすぎると、手のひらが硬くなることも同じ現象です。内側を守るため皮膚が分厚く変化する生理的な皮膚防御反応の1つです。
足にできる場合、原因は問題のある歩き方、膝腰の痛みによるかばい歩き、合っていない靴、 外反母趾などの足の指の変形、加齢に伴う脂肪の減少などです。
うおのめはたこの中心が皮膚の内側に尖ってくる状態です。歩くたびに刺さるように痛んだり、 重症化すると感染を引き起こすことがあり、特に糖尿病の方は注意が必要です。
治療方法
- 生活指導・・・かかとから着地する歩き方、靴選びの指導
- 処置・・・角質の除去
- 塗り薬・・・角質を整える塗り薬
乳児湿疹
乳児特有の皮膚炎の原因は大きく2つに分かれます。
生後3か月までに生じるものと生後3ヶ月ころから1歳くらいまでに生じるものとで対応が異なります。
生後3か月までに生じるものは乳児脂漏性湿疹といわれるもので、赤ちゃんが胎内にいたときにお母さまからもらっていたホルモンが原因です。ホルモンの影響で過剰に皮脂がでることが要因ですので、顔や体の余分な皮脂を洗い流すケアも重要になってきます。
生後3ヶ月ころから1歳くらいまでのものは、主に擦れる刺激が原因です。
3ヶ月から1歳までの赤ちゃんは動くことにより成長していく時期です。しきりに首をふったり、四肢を動かし続けたりと目的なく動くため、頬や四肢などの擦れやすいところに皮膚炎が生じます。
1歳以降は動きに目的が伴うため、必要以上に皮膚が擦れなくなり、その時期には無治療でも症状はおさまってきます。
時期により原因や治療が異なりますので、お気軽にご相談ください。
治療方法
- 原因、 悪化因子の除去、 回避
- 塗り薬・・・ステロイドの塗り薬
- 飲み薬・・・抗ヒスタミン薬(かゆみ軽減)など
光線療法
光線療法ナローバンドUVB療法 (※保険適用)
光線療法とは、安全性が高い特殊な紫外線を照射する皮膚科の専門治療です。塗り薬や飲み薬だけでは症状の改善が見られないアトピー性皮膚炎や乾癬などの疾患も、光線療法を併用することで安定した効果を得られやすくなります。また、高い効果が期待できるとともに、副作用の可能性は非常に少なくなっています。
紫外線は太陽光に含まれる光線波長ですが、光老化やしみの原因として悪いイメージがあるかもしれません。確かに、強い日焼けや長時間の繰り返しなど、必要以上の紫外線を浴びるのはよくありません。
一方、日光浴として昔から馴染みがあるように、短時間で適度な紫外線は健康によいとされています。事実、毎日数分の紫外線を浴びることは、骨の形成・代謝に必要なビタミンDを有効にするために必要であることが研究で示されています。さらに近年では、紫外線の一部の波長が皮膚の免疫を調整し皮膚炎などの症状に非常に効果があることが解明されています。
当院で行っている光線療法は、皮膚の治療効果が高い311±2ナノメートルの波長のみを取り出して2分間程度照射します。副作用が大幅に軽減されたナローバンドUVB療法によって、皮膚の健康と同時に皮膚の美容にも配慮しています。
当院では全身に均一で照射できる全身紫外線治療器を導入し、治療機器にお一人で入れる方なら治療を受けていただけます。多くの疾患に保険適用されますので、お気軽にご相談ください。
治療の特徴・効果
対象疾患:アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉症、尋常性白斑など
治療時間:1回1~2分
効果の持続:他の治療法と比較して効果の持続時間が長い(1~2週間)
予防効果もあり、症状の改善・悪化を繰り返す周期を緩和
費用:健康保険3割負担の場合、1回1,050円前後
副作用
照射した皮膚に赤み、色素沈着、ほてりなどを生じる場合がありますが、すぐに治まります。
また、従来の治療法で懸念されていた皮膚がんなどの発がんリスクもほとんどありません。
当院ではなるべく副作用を生じさせないように、短時間の照射から始めます。
安全性に十分配慮して、副反応がないか確認しながら治療を進めます。
作用機序(311±2nmの作業機序)
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皮膚にある有害なT細胞をアポトーシスにより
減少させる -
有害なT細胞を抑え込む細胞(T-reg)が増加
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皮膚の炎症が改善
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塗り薬や飲み薬では効果がない
強い皮膚症状を改善させる治療法